VOL.29 1996年12月1日 西安
西安のシンボル大雁塔
西安のシンボル大雁塔へ行った。
チケットAとかBとあったので、入場料と塔に登る料金のことだと思っていたら、外国人料金と人民料金のことだった。
「イーガ(1枚)」となるべくばれないように、早口で言ってみたが、出したお金が多すぎたからだろう、あっさり外国人料金を取られた。
外国人料金だと、塔に登るのは25元かかるというので、残念ながら僕は登るのを諦めた。
レンガを積み上げられて出来たような大雁塔を僕は塀の外から眺めた。塀の周りを一周すると人民服色のマウンテンパーカーを着たひげ面の男が「こんにちは」と日本語で挨拶をしてきた。
日本人だった。
僕の着ていたNOMOのジャンパーで、僕が日本人だというのが分かったらしい。
彼は女性と2人でのカップル旅行で、あくまでも安さを追求しているらしく、すべて中国人料金で、宿も外国人は泊まれないはずの招待所に泊まっているという。
シルクロード方面から帰ってきたという。
僕の宿泊している勝利飯店の同部屋にいる日本人も、シルクロードを旅していたという話をしてみると、「もしかして」と彼の外見と合致する特徴をいくつか挙げだした。
「髪が長い」
「ヒゲを生やしている」
「大阪弁」
「細長い」
まさしく、同部屋の彼のことだった。シルクロードの宿で一緒だったらしい。。
昨日はタイで一緒だった人と、今日はシルクロードで一緒だった人と。日本人が旅するルートはこんなにも被るのかと、驚くしかなかった。
2夜連続の宴
勝利飯店に戻り、同部屋の彼と引き合わせると、3人はテンション高く、喜んだ。聞けば、たった10日ほど前に別れたばかりだというから、それほど久しぶりというわけではない。
日本人の旅するルートが似通っていても、この広い中国で再開するのは、やはりうれしいものらしい。
カップルの旅行者の2人は、今夜西安を発つ列車に乗るという。せっかくだから夕食を4人で一緒に食べようということになった。
昨日も同じパターンで飲みに行くことになったので、似たようなことは続くものだ。
カップル旅行者の提案で、西安名物のギョウザの宴をしようということになった。コースが50元からだというので、内心では出費が痛いと思った。しかしながら、西安の「名物」という言葉に逆らえず、今夜の食事は50元ではなく、日本円の650円だと考えるようにした。650円の夕食なら、まったく贅沢ではない。
前菜からギョウザが次々と出てきた。卵とか、エビとか、ツナとか、あんことか、小さなギョウザがたくさん出てきて、火鍋も出てきて、最後にはフルーツまで出てきた。最後の方は満腹すぎて、入らないくらいだった。
50元で考えると、このくらいは当然だという高さだが、650円で考えると、信じられない贅沢だった。
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